太陽光発電には除草が必要?その理由とコストなどの比較を徹底解説!

太陽光発電設備への投資を行っている方や、太陽光発電設備をすでに設置しているという方は少なくないでしょう。
太陽光発電設備を有しているのであれば、誰しも太陽光発電設備の除草には気を揉んでしまうことと思います。
太陽光発電設備の除草は、太陽光発電を正常に運営するためには欠かせない作業です。
ここで、問題となってくるのが自力で太陽光発電設備の除草を行うか、または業者に依頼して除草してもらうかの選択になります。
除草するためには、それなりのコストや時間もかかるため、あらかじめ除草方法を検討しておきましょう。
今回は、太陽光発電設備の除草方法について、自力で行う方法と業者に依頼する方法を比較していきます。


■なぜ太陽光発電設備に除草が必要なのか?

まずは、なぜ太陽光発電設備に除草が必要となるのかをご紹介していきましょう。
太陽光発電設備は、主に一般住宅であれば屋根上や庭先に設置してあることがほとんどです。
大きな太陽光発電設備を持っているという方は、自宅から遠く離れた土地や住宅街でない郊外に設置しているケースが多くあります。
除草せずにそのまま雑草が伸び放題になっていると、様々なデメリットを生じさせてしまうでしょう。
雑草によるデメリットで最も大きく影響するものは、発電効率の低下です。
雑草の種類にもよりますが、自分の背丈を超えるくらいにまで成長する雑草や、蔓のように太陽光発電設備に絡みついてしまう雑草もあります。
そのような雑草を除草せずに放っておいてしまうと、太陽光パネルを覆ってしまい、パネルに十分な太陽光が当たらなくなるのです。
その結果、ホットスポットという現象が発生してしまい、発電効率の低下を招いてしまうでしょう。
蔓性の雑草には特に注意が必要です。
太陽光発電設備には必ずパワーコンディショナというものが設置してあるのですが、蔓性の雑草がこのパワーコンディショナの内部に侵入してしまうことで、最悪の場合パワーコンディショナが故障してしまうことも考えられます。
このことから、太陽光発電設備の除草を適切に行わなければ、通常の耐用年数よりも太陽光発電設備は維持できずにメンテナンス費用がかさんでしまうことでしょう。
もし、現在発電効率の低下から太陽光発電での収益が減少してきているのであれば、雑草が原因となっていることも考えられます。
できれば、早めに太陽光発電設備が現在どのような状態となっているのかを確認してみましょう。

太陽光発電の収益には直接関係ないようなデメリットもあります。
それは、雑草が生い茂ることによる近隣住民からの苦情や害虫・鳥などによる被害です。
太陽光発電設備が道路に面していると、雑草が道路まで伸びてしまうことが多くあります。
そのため、歩行者だけでなく車の運転の邪魔にもなってしまうでしょう。
結果的に、近隣住民から苦情が寄せられてしまったり、雑草が生い茂っていることから粗大ごみの不法投棄されてしまったりすることも考慮しておかなくてはなりません。
また、害虫や鳥などによる被害とは、太陽光発電設備点検時に害虫に襲われてしまうケースや、太陽光発電設備の故障も考えられます。
虫が集まれば、虫を餌としている鳥も多く集まりやすくなります。
鳥が集まるということはそこに鳥の糞も集中しやすかったり、餌と間違えてコードを引きちぎってしまったりすることもあるのです。
害虫が発生していると、除草を行う際に害虫駆除を行わなくてはならなくなるので、余計にコストがかかってしまうことでしょう。


■除草のための手段は、自力か業者へ外注するかのどちらか

太陽光発電設備の除草を行う際には、特に専門的な知識は必要ではありません。
手間はかかりますが、一般的な除草方法としては手で草むしりを行う方法が挙げられます。
素手で草むしりを行うと、草で手を傷付けてしまう恐れがあるので、軍手や手袋を装着して行うようにしましょう。
手作業での草むしりであれば、特別な機械なども必要としないため、非常に安価に除草を行うことができるでしょう。
しかし、除草は年に1度行えば良いものではなく、雑草が生い茂る前に除草を行っておく必要があるので、年に2~3回は除草しなくてはなりません。
また、草むしりを行う面積によっては、多大な労力を必要とするため非効率的とも言えるでしょう。

では、草むしりではなく草刈り機を用いて除草する方法はどうでしょうか?
他にも除草剤を散布する方法や防草シートなどを活用すると、コストはかかりますが手作業での草むしりよりも手間や負担が少なくなるのでおすすめです。
これらは、全て持続効果が20年以下となっているため、手作業での草むしりと同様に年に数回から数年に1度は再度除草作業を行う必要があるでしょう。

除草作業を業者に外注する場合、前述したように除草の手間がかかりません。
しかし、その分コストは発生してしまうので、太陽光発電設備を維持するための費用がかさんでしまうことも考えられます。
ただ、除草の専門家がしっかりと草刈り機での除草を行ってくれるので、気になる雑草を手早く除去してくれるでしょう。
また、業者に依頼する際には防草シートや砕石(砂利)を敷くことも検討してみてはいかがでしょう?
防草シートや砕石を敷くことで、より長期間の除草効果を実感できます。
ある程度のランニングコストはかかってしまいますが、年間で数回の草刈り機での除草を20年間繰り返すことを考えると、コストはそこまで高くないと言えるでしょう。


■除草にかかるコストの比較

自力と業者とでは、除草にかかるコストが大きく異なります。
自力で除草作業を行う際に、どのような方法を用いるかでも除草にかかるコストは変動するでしょう。
業者を雇う必要がないため、人件費は発生しません。
しかし、太陽光発電設備をどこに設置したかによっては、人件費以上の交通費がかかってしまうこともあります。
遠方であればあるほど、交通費が高くなるだけでなく除草効率も悪いため、雑草によるデメリットが生じやすくなってしまうことが考えられます。
また、自力で除草する際に草刈り機を用いた場合、草刈り機の刃に小石などが跳ね返り、パネルが破損してしまう可能性もあったり、設備のケーブルを誤って切断してしまう恐れもあります。
自力で除草する際には、特に専門的な知識は必要としませんが、雑に草刈り機を扱ってしまうと破損や故障を招いてしまう可能性もあるでしょう。
自力で行う場合には、より注意して作業を行わないと、修理費などがかさんでしまうでしょう。
業者に依頼する場合、自力よりも初期コストはかかります。
しかし、太陽光発電設備を運用する最低20年間は、除草に対してのコストがかかることを考えると、ランニングコストが高いほどコスパ良く除草することができるでしょう。
業者に依頼した場合の20年間の費用目安は、草刈り機での除草がおよそ480万円(1年に3回)、除草剤散布での除草はおよそ180万円(1年に1回)、防草シートでの除草ではおよそ130万円となっています。
これらを比較してみると、やはり防草シートでの雑草対策が最もコスパに優れていることが分かります。
ランニングコストとしては、最も防草シートがかかりますが、その分効果的かつ効率的に除草できると言えます。
ただ、業者によって防草シートの施工料金なども異なってくるため、業者に見積もりを依頼してから数社で比較してから業者へ外注するようにしましょう。

■除草にかかる労力の比較

自力で除草を行う際には、多大な労力と時間が発生します。
特に、太陽光発電設備の規模にもよりますが、規模が大きければ大きいほど自力での除草作業は困難となるでしょう。
また、除草を自力で行うのであれば、太陽光発電設備のある土地まで赴かなくてはなりません。
設備のある土地が遠ければ、そこに行くまでの移動時間を考えておく必要があります。
移動時間が長くなれば、その分除草に費やせる時間も限られてきます。
太陽光発電設備の規模が大きくなると、その規模を除草するのに何日もかかってしまうことも考えられます。
設備のある土地が遠ければ、宿泊費などの費用も発生してしまうでしょう。
除草にかかる労力、時間共に自力ではなかなか管理していくことも難しくなることが考えられます。
業者へ除草作業を外注した際には、除草に労力や時間を費やすことはなくなります。
除草範囲も自力で行うよりも広い範囲で行うこともできますし、規模によってはそれ相応の人数で除草作業を行ってくれるため、短時間で効率良く除草してくれるでしょう。
また、草刈り・除草作業後の草の処理も行ってくれるため、業者に任せておけば特に問題なく作業を終えることができます。

■自力と業者、どちらで除草する?

太陽光発電設備の除草は、自力でも業者へ依頼するにしてもどちらでも必ず必須となる作業です。
安定した発電量で安定した収益を望むのであれば、太陽光発電設備の除草をしっかりと行っておく必要があるでしょう。
もし、今現在発電量が安定しなかったり、収益が伸び悩んでいるのであれば、太陽光発電設備の状態をチェックしてみるところから始めてみてはいかがでしょうか?
自力と業者、どちらを依頼するかは太陽光発電設備の規模次第にもなりますが、除草のプロに任せた方が安心安全に除草作業を行ってくれるでしょう。
また、時間や労力も多く費やしてしまうため、業者に任せてしまった方が効率的に除草できると言えます。

再生可能エネルギーである太陽光発電への投資は、近年投資商品の中でも注目を集めてきている分野です。
太陽光発電設備をすでに導入し運用しているのであれば、太陽光発電設備の周辺環境にも気を配り、適切に管理していくことが太陽光発電投資では重要となるでしょう。
太陽光発電での収益が減少している場合には、まずは太陽光発電設備の周辺環境の様子も確認してみてください。